2011
12.28
2011年 12月議会 (※全文はここをクリック!)
(1回目発言:相崎)
おはようございます。ただいま議長より発言の許可がございましたので、通告に従い質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
では、早速まいります。1つ目の質問は、公共施設の再配置です。今議会で、現図書館を防災拠点に整備するというプランが提案されました。聞くと、国の3次補正にて100%起債、70%交付税措置で防災拠点整備が可能となり、それを活用する。申請タイミングの都合で、今議会で補正予算の承認が必要とのことでした。
プラン提案の背景は、一定把握をいたすところですが、しかしこれまでさんざん議論を重ねてきた従来のプランから大きく方針転換されたプランであり、しかもそれを短時間で検討、判断せねばならないという状況です。
率直なところ唐突感が否めず、防災拠点の内容もはっきりせず、ひいては本庁舎を中心とする公共施設再配置全体のビジョンも見えてまいりません。
ゆえに、今回確認すべきこと、明確にすべきこと、新たに問うべきことなどが山積であります。これらの点を、さまざまに質問してまいります。
本庁舎周辺の公共施設再配置について、これまでの経緯を詳しく説明したいところですが、膨大な量になりますので概略のみ説明をしておきます。この本庁舎周辺の公共施設再配置について、平成19年3月に公共施設再配置計画(市役所周辺)(案)という計画案が策定されました。
内容は、本庁舎を耐震改修する。現図書館は、保健センターにする。保健センターは、災害対策本部機能と職員会館機能を持つ場所にする。法務局跡地は、発達支援センターにするという計画案でした。
さまざまな経緯を経て、現在は法務局跡地は市役所南館となり、市庁舎は耐震改修せず6次総計で建てかえを検討する。図書館は移転、保健センターはそのままとなっています。
そして今回示されたプランでは、現図書館は防災拠点に、保健センターはそのまま、発達支援センターは整備移転場所などを再検討というプランであります。これが概略です。
では種々質問してまいりますが、まず1、全体のビジョンについてです。19年3月に公共施設再配置計画(市役所周辺)(案)が提示されました。今から4年半前です。当然ながら公にも提示され、パブリックコメントもとられました。この議会も、この計画案を軸に本庁舎の耐震改修や新図書館の建設や発達支援センターの建設など、さまざまに議論を重ねてまいりました。しかし現在は、当初の計画案とは随分異なった現状となっています。さらに、今回のプランでは一層方針転換されることになります。
ところが、この公共施設再配置計画(案)は、19年の提示以降一度も変更や撤回をされてはおりません。つまり、当初の内容とは大きくかけ離れている計画が、いわばあいまいな形で存在し続けている状態です。ゆえに私は、この計画をどう扱えばよいのか、判断できずにおる状態です。
そこで伺います。まず、平成19年の公共施設再配置計画(案)は、現在どのような存在ポジションなのでしょうか。私たちは、どう認識すればよいのでしょうか。
私は、この機会に平成19年の再配置計画案は変更するとの方向性を一定、明確にすべきではないかと考えます。言い方をかえれば、明確にできる機会ではないかと考えています。見解をお願いします。
また、パブリックコメントのあり方についても確認します。この計画は、公に提示をされ、パブリックコメントもとられたものです。この内容を変更するのであれば、市民への説明責任はどうなるのか。パブコメでの市民の声はどうなるのか。パブコメをとって進められた計画が、当局や議会などで変更されていくなら、そもそもパブリックコメントのあり方とは何なのか。これらを含めて、パブリックコメントについての見解をお教えください。
そして次に伺うのは、では全体のビジョンはということです。19年の再配置計画案は、申し上げたとおり大きく内容が変わっております。しかし、これにかわる全体計画というのは新たに提示はされておりません。つまり現在、全体の総合的、長期的なビジョンが存在をしていない状況と見ています。
そこで伺います。本庁舎周辺の公共施設再配置について、全体のビジョンを再構築する予定なのか、または状況に応じて個々に対応、推進をしていくのか、お教えください。
全体についての質問は以上でして、続いて各施設について伺ってまいります。まずは、今回新たに提案されました防災拠点についてです。今回、プラン提案に至った背景は一定把握をいたしました。しかし、何分唐突であり、防災拠点の場所も内容も十分に練られてはおりません。突貫工事であります。
本来であれば、ソフト、中身を何が必要かを熟議し、それをもとにハード、建物を整備するというのが順番でありましょうが、今回先にハードを申請するということであれば、せめて現段階からでも中身などについて十分に検討を重ねなければなりません。
そこで、以下伺います。まず場所です。現図書館に防災拠点を整備とのことですが、場所の検討はどのように行われたのでしょうか。再配置計画案並びに5次総計事業実施5か年計画では、防災拠点は今の保健センターに整備をすると記載されています。また、それ以外の施設でも今の市役所南館など、候補地としてさまざまに検討の余地があると考えられます。
そこで伺いますが、防災拠点の場所としてどのような検討がなされ、なぜ現図書館を選んだのか、御説明をお願いします。
次に、その防災拠点は恒久的な施設か暫定的な施設かという点です。市役所の本庁舎は、6次総計にて建てかえを検討するとなっています。つまり、10年後以降に新築されるという方向性なのですが、新築された場合、その新庁舎の中に防災拠点を包括することが可能ですし、それが望ましい形ではないかと私は考えるところです。
そういった長期的展望も含めて伺いますが、今回整備する防災拠点は恒久的なものなのか、それとも10年程度の暫定活用と考えているのか。私は、将来を勘案しフレキシブルな状態での拠点整備がベターかと考えますが、見解をお教えください。
防災拠点について、さらに伺います。中身についてです。現段階で、少なくとも私は防災拠点の中身がいま一つぴんときておりません。当初の計画では、災害対策本部機能、防災拠点は今の保健センターにつくるとの予定でしたので、その機能は今の保健センターのキャパシティー内で充足できるものであると想像しておりました。それを、現図書館に場所を変更するということであれば、単純にスペースとして広過ぎるのではないかと感じるところです。
では、広過ぎるのであれば、例えばほかの自治体に見受けられるような一般市民向けの啓発スペース、例えば地震体験マシーンを整備するなどということをするのかというと、それは伊丹市では必要性が薄いのではないかと考えます。
ともかく、本来なら必要な機能、ソフトを熟議することが先なのですが、現在ハード整備が先行しています。そうであれば、せめて現段階からでも中身について十二分につくり込んでいくことが必須です。
そこで伺います。整備予定の防災拠点について、中身のプランをお示しください。自治体によっては、最新鋭の情報システムを導入しているところも見受けられますが、当市ではどこまでの機能を求めるのでしょうか。お教えください。
防災拠点について、財政的なことの確認が必要です。整備予定の防災拠点、イニシャルコストとランニングコスト、そして財政に及ぼす影響などを御説明願います。
各施設についての質問、次は保健センターに参ります。19年の再配置計画案では、保健センターは現図書館に移転をする。理由は、現センターでは大変手狭であるとのことでした。この議会でも、事あるごとに保健センターはいかに手狭かとの説明、答弁が展開されていたものです。
ところが、今回保健センターは現在の場所で続行するとのこと。確かに、経費縮減の観点からしますと既存施設の有効活用というのは一つの方法でありまして、保健センターの継続活用も否定できるものではないと考えています。ただ、過去からの説明と大きく異なる方向性であるため、これは明確にしておかねばなりません。
そこで伺います。市は、保健センターについて現段階でどのような機能が必要と考えているのでしょうか。そして、その必要な機能は、今の保健センターの建物で充足されるものなのでしょうか。手狭だ、手狭だというこれまでの説明でしたが、大丈夫なのでしょうか。
成人検診部門が市役所の南館1階に移行したために、センター手狭の課題は緩和されたとも聞くところですが、その市役所南館はあくまで暫定的な活用と認識しております。南館がなくなった際、成人検診部門の行方はどうなるのでしょうか。これらをお教えください。
続いて、発達支援センターについてです。伺いたいことがたくさんございますが、あえて1点お伺いします。具体的な段取りとスケジュールです。この発達支援センターというのは、発達に支援が必要な子供たちのための施設ですが、さかのぼれば、初めはこやいけ園という高齢者施設の跡地に建設予定でした。しかし、ここは県施設の誘致に成功しまして、現在は御存じのとおり阪神北広域こども急病センターになっております。
これはこれでよいといたしまして、建設場所が白紙に戻った発達支援センターは、19年の再配置計画で法務局の跡地に建設と変更されました。その後、計画自体が変更していく中で、今回、整備移転場所などを再検討するとなっています。つまり、この発達支援センターは過去から必要性が叫ばれ、何度も計画をされながら、残念ながら先送りとなり、今なおこれからの具体的な動向が見えてこない状況です。
センター建設は、4次総計、5次総計ともにはっきりと記載されております。事業実施5か年計画では7億7500万、うち一般財源1億7900万かけて平成27年度までに整備と明記をされています。また、次世代育成支援行動計画「愛あいプラン」後期計画では、当市の次世代育成支援のフラッグシップの一つとして大きく掲げられています。
今回は、なぜ発達支援センターが必要か、どんな中身が必要かということはあえてもう質問をいたしません。これまでさんざん議論をしてまいりましたので、これらについては過去の議事録を読んでいただくといたしまして、1点のみ確認いたします。
発達支援センターの建設について、今後いつどのように進められるのか。段取りとスケジュールを具体的にお答えください。なお、発達支援センターは建設するものとの大前提に基づきお伺いいたします。
以上、多く伺いました。御答弁は簡潔に、申しわけないですがお願いできれば助かります。
続いて、2つ目の質問に移ります。学校園の芝生化についてです。このテーマは、先日別の議員さんから詳細に質問がございましたので、重複する内容はばっさりと割愛しまして、簡潔に質問いたします。
当市では今年度、市立稲野幼稚園にて芝生化を実施しており、大変好評を博しています。来年度は1園追加し、モデル事業を継続と聞いています。
芝生化は、確かに実施をされればすばらしいものです。稲野幼稚園の芝生化も大変意義深いものであり、維持管理をされている方々には頭が下がる思いです。
しかし、私は学校園芝生化には少々懐疑的な思考を持ち合わせております。理由は4点ございまして、まず1点は維持管理が大変という点です。芝生化最大のデメリットが維持管理というのは、皆さん御存じのとおりでありまして、確かに芝生化は教育面、環境面に多大な効果がございますが、確実かつ継続的に維持管理されなければ失敗する可能性も高いものです。
先日、ほかの議員からも紹介がありましたが、例えば東京の杉並区では大変成功している学校がある一方、失敗した学校、初めから手を出さない学校も多く存在しています。また、東京都内で芝生化に取り組む学校の一覧冊子というのがあるんですが、確認をしますと、もう一部のみ芝生化をし、しかもそこも枯れかかっているという例も多く見受けられまして、芝生化の意義を見出すことが困難な学校もございました。
芝生化をもし実施するのであれば、維持管理体制を確実かつ継続的なものに整えねば失敗する可能性が高いと実感しています。
2点目の懐疑点は、経費面です。杉並区の成功した小学校では、イニシャルコストに3341万5200円、うち国庫補助3分の1、そしてランニングコストにおよそ324万円、これ実施校の平均でございますが、これだけのコストをかけています。この金額で維持管理を業者に委託しているそうです。
翻って伊丹市では、稲野幼稚園においてイニシャルコストおよそ100万円、ランニングコストおよそ数十万円程度と聞くところです。大変リーズナブルかつ管理がしやすい鳥取方式などを活用しまして、大変コスト的には安価に抑えられているところでありますが、しかし芝生を継続的に維持していくのであれば、杉並のように一定のコストを投資して業者委託することも必要なのかもしれません。果たして伊丹市は、その部分に多額のコストを投資する余裕と意義はあるのでしょうか。なお、国、県の補助については、兵庫県に県民まちなみ緑化事業なる制度が存在しますが、申請時期などの使い勝手が悪く、補助制度も活用が難しいところです。
そして3点目の懐疑点は、伊丹市において果たして芝生化が優先事項であるのかという点です。学校園の芝生化は、全国的なブームが過去何度かございました。1次ブームは1970年代、2次ブームは1990年代、これはJリーグ発足によるサッカーができるグラウンドの流行ということでありました。3次ブームは2000年代でして、地球温暖化の問題などから、環境の観点で芝生化が流行したものです。しかし、いずれのブームも年月の経過とともに下火となり、定着率は極めて低い現状です。
また、芝生化で記憶に新しいところでは、大阪府で当時の橋下知事が一時、府内の学校校庭を芝生化にと大々的に掲げておられましたが、しかし実際はさまざまな課題により普及率は目標値に遠く及ばず、橋下氏自身も現在は旗をおろしている状態です。
また伊丹市においては、実は過去小学校や幼稚園で芝生化を試みた経緯がございますが、残念ながら1カ所も継続はされておりません。例えば、某小学校では7年前に校庭の一部を芝生化しました。当時の本会議議事録には、ここを芝生化のモデルケースとして研究を進めていくという答弁がなされています。しかし、現在この場所は全く管理をされておらず、土がむき出しの状態となっています。
また、学校園の環境授業という観点で言うなら、芝生化よりも壁面緑化などの方がトレンドでありますし、学校園のハード整備ということであれば、ほかに優先すべき事業あるのではないかと私は考えるところです。伊丹市として、学校園の芝生化が果たして優先して行うべき事業なのかに少々疑問を感じているところです。
4点目の懐疑点は、多目的に使用しにくい、特に野球がしにくいという点です。芝生のグラウンドは、サッカーやラグビーには適しているのですが、野球には不向きであります。伊丹市は、プロ野球選手を多数輩出している野球が盛んな土地柄でありまして、サッカーももちろん人気なんですが、野球をする子も多いこの伊丹市において、少なくとも小学校では校庭芝生化は課題が多いのではないかと私は考えているところです。
以上、申し上げた事柄から、学校園の芝生化について私の見解としては1、芝生化の環境面、教育面でのメリットは理解する。2、現在実施中の稲野幼稚園はすばらしいと評価させていただいている。3、しかし維持管理の点、経費の点などから、伊丹市の優先事業ということには疑問を感じる。4、実施をするのであれば、確実かつ継続的な維持管理体制を整え、慎重に取り組むこと。5、課題が多いことから、小学校での実施は賛成しかねる。以上の見解を、個人的に持っているところであります。
そこで伺います。1、稲野幼稚園の検証、2、今後の具体的な予定。この2点は、お伺いしたかったのですが、先日の御答弁と重複をいたしますので、御答弁をいただいたものとして、お答えいただかなくても結構です。
そして3点目、これはお教えください。伊丹市として、学校園芝生化の大きな方向性、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。優先課題として積極的に進めていくのか、または可能な範囲で少しずつ進めていくのか、ここはしっかりとお教えください。
以上、1回目の質問といたします。御答弁お願いします。
(答弁:総合政策部長)
庁舎周辺の公共施設の再配置についての御質問にお答えいたします。まず御質問の1点目、全体のビジョンについて、公共施設再配置計画案の現在のポジションと今後の進め方でございますが、この平成19年の公共施設再配置計画案の内容は、御指摘ありましたようにまず現図書館について耐震改修工事など行った後、保健センターとして整備。移転後の保健センターの建物については、防災拠点と会議室などの機能として整備。庁舎南館は、仮設庁舎として活用しながら市庁舎の耐震化工事を行い、その完了後、庁舎南館を取り壊し、その場所に発達支援センターを建設するという一連の計画であり、平成27年度に計画完了としていたものでございます。
これに対し、本庁舎の対地震化の工法等について耐震、免震等考え直すべきとの御意見が議会の中でもございましたので、平成22年度当初予算と施政方針において、市庁舎の耐震化につきましてはさまざまな工法の検討や事業費の積算を行うとともに、市庁舎周辺の既存施設の効率、効果的な活用を図るための再配置について検討し、方向性を明らかにしてまいりますとして、庁舎耐震化工法等検討委託料を予算化いたしました。
それにより、22年度は各工法と工事費の詳細や、工事に必要な仮庁舎の規模、また移転等を含む全体の工事施工工程及びその事業費について再検討を行い、本庁舎の対地震化対策としては新築を選択することが最も合理的であるとの判断をしたところでございます。
しかしながら、庁舎新築には多額の経費を要しますことから、まずは第5次総合計画の種々の事業に優先的に財源配分して実施すべきとの結論に至ったこと、また地方分権が進み、今後基礎自治体としての市の事務がこの10年の間に大きく変わる可能性があることや、IT化、環境への対応など時代の転換期の中で今、本庁舎の規模等を固定化する耐震工事を行うことは適切でないと判断したことから、当面は着実に基金積み立てを行うなどして時期到来に備え、第6次総合計画期間中で判断することと結論づけたことにつきましては、昨年度の総務政策委員協議会などの場において報告させていただいたところでございます。このように公共施設再配置計画(案)が、その中心となる本庁舎の整備方針が見直されましたことで、引き続き検討中の状態でありました。
その中で、このたびの東日本大震災等を踏まえ、防災機能の強化を最優先すべきと判断し、今回、補正予算案として御提案しております、現図書館を活用した防災拠点の整備を先行させていただこうとするものでございます。
現在、市全体の公共施設の現状を把握するための公共施設白書の策定を定めており、それが完成しました後、平成24年度には今後の公共施設のあり方に関する基本方針を取りまとめていきたいと考えております。その結果を踏まえ、今後さらなる検討を行い、方針を決定してまいります。
また、パブリックコメントの見解についてでございますが、御指摘のとおり本計画案は平成19年にパブリックコメントを実施いたしました。その際、16件の御意見を賜り、それぞれについて市の考え方をお示しし、説明責任を果たしてきたものと考えております。
しかしながら、今回の防災拠点整備に伴う本計画案の変更につきましては、本年に入り相次いだ自然災害の脅威を目の当たりにし、国の3次補正を活用するためには早急に政策を決定し進める必要がある中で、発達支援センターなど他の施設を含めた全体見直し案を策定し、市民の皆様にお示しできる状況ではございませんでした。
よって、補正予算案を議決いただけましたら、そのあと速やかに伊丹市パブリックコメント制度指針の中にございます緊急を要した場合という定めに基づき、その概要及び緊急を要した理由を公表すべきと考えております。
次に、御質問2点目の防災拠点についてお答えいたします。まず、場所の選定ということについてでございますが、先ほど申し上げましたように再配置計画案で防災、災害対策の拠点施設とすべく考えておりました本庁舎につきましては、既存の施設設備を有効に活用するという方針のもと、これまで対応してまいりましたが、現庁舎においては新築建てかえまでの間は、致命的でないとはいえ耐震性の問題も残り、また防災対策に資する執務スペースや防災通信設備などが配置的に分散していることなど、防災機能を発揮する上で一定の課題を抱えております。
よって、今後さらなる安全、安心のまちづくりを進めるために、堅牢な防災拠点を整備することは優先的に取り組むべき施策の一つであると考えているところでございます。
今回の防災拠点の整備に当たりましては、公共施設のあり方の基本方針を取りまとめようとしております現段階において、そのために新たな施設を建設するのではなく、既存の施設を有効活用すべきとの判断をいたしました。
その中で、庁舎周辺施設の状況や国の3次補正を活用する上での事業スケジュールなどを踏まえたときに、来年7月に移転を予定しております現図書館を活用することが最も有効かつ効率的であるとの結論に至ったものでございます。
また、現図書館を防災拠点として活用する期間の考え方についての御質問でございますが、現図書館も昭和48年に竣工し、既に築38年が経過しておりますので、本庁舎の建てかえ時期としております第6次総合計画の期間に当たる10数年後となりますと、築50年余りが経過することとなります。他方、一般的に鉄筋コンクリート建造物の耐用年数は60年として取り扱われておりますが、耐震補強等の工事を実施した後、施設の適切な維持管理を行うことによりさらに一定の延命を図ることが可能であるため、現図書館を活用した防災拠点の活用期間及び御提案いただきました本庁舎への機能統合につきましては、そのような内容も踏まえた上で本庁舎建てかえ検討時に総合的に検討すべきと考えております。
続きまして、防災拠点の整備内容についてでございます。これにつきましては、今回御提案いたしております設計業務を実施する中で整備内容を整理し、取りまとめていくものでございますが、現在の整備についての基本的な視点といたしましては2つございまして、一つが防災機能の集約と充実、もう一つが災害時に防災拠点が機能不全に陥るリスクの低減、こういった2つに着目し、検討を進めてまいりたいと考えております。
まず1つ目の、防災機能の集約と充実につきましては、現在、本庁舎の2階、5階、7階等に分散している執務室や災害会議室などや防災機器などの通信機能を集約することで、より迅速かつ的確な災害対応を図ることができるとともに、災害の種類や規模に応じた弾力的な運用を行うことが可能となります。
具体的な施設整備の予定につきましては、防災拠点の2階を防災機能の中枢と位置づけ、災害対策本部室の配置を予定しております。ここでは、災害に係る対策、各部間の情報共有を図るとともに、対策の基本方針や関係機関への派遣要請等の重要事項の決定を行います。あわせて、ここに各種情報収集機能を持たせ、的確な判断へのサポートにつなげてまいりたいと考えております。
また、通信機能等を備える情報処理室には、防災関係機関等の情報共有機能を持つフェニックス防災システムや、衛星電話、衛星ファクス、J-ALERT端末機、屋上カメラ映像モニター、河川水位監視カメラ映像モニター等の情報収集機器、そしてMCA無線システムの通信制御卓やエフエムいたみのサテライトスタジオ等の配置を予定しております。これらの情報関連設備を集約することで、総括本部の決定事項を迅速に市民の皆様に周知伝達できると考えております。
また現在、本庁舎7階の第7、第8、第9会議室を割り当てております災害対策室も配置し、災害時には最大129人の総括本部事務局員及び兵庫県や陸上自衛隊員、伊丹警察、ライフライン事業所等、防災関係機関の要員が活動する場を想定しております。電話回線につきましても、市民からの要請や通報等に対応できる環境を整備するとともに、各対策部や関係防災機関との連絡調整も行ってまいります。
次に、防災拠点の1階につきましては、物資集積所機能といたしまして支援物資の収受、出納の管理のため、市の備蓄品と救援物資を収納し、災害時に配付等を行うスペースを検討しております。
さらに1階におきましては、機能拡充の一つといたしまして、防災啓発機能の整備を検討してまいりたいと考えております。この施設をより有効に活用するため、災害時だけでなく平常時の利用についても検討する中で、災害から身を守る、いわゆる自助のための家庭内備蓄品の展示や、地域特有の災害リスクを紹介する映像モニターの設置などを行い、市民の皆様の防災意識の啓発に資する活用も検討してまいります。
次に、2つ目の防災拠点における災害リスクの低減という点につきましては、施設の耐震化を行うことにより、人員及び防災機器類の確実な安全確保を図るとともに、電気通信系統を本庁舎から独立させ、バックアップ機能を持たせるなど、ライフライン機能の強化を図ってまいりたいと考えております。
また加えまして、行政が管理する重要文書や歴史的文献などの行政資料につきましても、さまざまな災害から確実に守り、保管し、かつ市民の皆様の閲覧にも供するため、公文書庫や行政資料コーナーの整備も検討をしてまいります。
以上、今後の計画策定や設計業務を進める上ではこういった考え方を基本とし、さらに他都市の先進事例等を研究するとともに、もちろん議会の皆様からの御意見等もいただきまして、より機能的な防災拠点施設の整備を進めてまいりたいと考えてございます。
次に、イニシャルコストとランニングコストについてでございますが、今回補正予算として提案しております現図書館の耐震診断設計に基づき耐震補強工事設計を行い、その工法選定の妥当性等について外部機関の評価を受けるなど種々の検討を加え、さきに答弁いたしました具体的な施設整備計画を策定するとともに、建設に要する費用を算出することとなります。
特に、耐震補強工事に要する費用につきましては、耐震診断の結果によりまして大きな費用の増減が生じるため、現時点では精度の高い整備費用を算出することは困難でございますが、この建物自体の耐用年数等を踏まえますと、過度に高い整備水準を想定すべきではない、想定する必要はないとの考えのもと、過去に行った学校施設の耐震補強工事の実績などを参考にして、現時点での概算の整備費用といたしましては約1億8000万円程度を想定しているところでございます。
一方、施設の維持管理の費用につきましては、これは庁舎としての用途であり、また機能の集約でありますため、これまでの維持費と比べて特段に多くの経費を要する施設整備は現在のところ考えてございません。基本的には、これまで本庁舎で要しておりました維持管理経費と同等程度の想定をいたしております。
ただし、これらにつきましても今後進めてまいります設計業務の進捗により定まってくるものでございますので、その時点で改めて議会の皆様には報告をさせていただきます。
また、この事業に係ります投資的経費につきましては、市にとっての財源的に非常に有利な国の3次補正の活用を前提としておりますので、伊丹市行財政プランによる単年度の一般財源及び市債発行枠に対しましては、その範囲内におさまっており、市の財政に及ぼす影響は見通しの範囲内でございます。
次に、3点目の保健センターに関する御質問の中で、必要なソフトは何と考えるか、すなわち保健センターの機能として本来、どのような機能や事業が必要と考えるかとの御質問でございます。
この保健センターは、昭和60年の開設以来、乳幼児健診や育児相談を初めとした母子保健事業、あるいはポリオを初めとする予防接種事業、また市民検診や各種がん検診を初めとした成人保健事業、さらには近年の食育推進事業など、子供から大人まで市民の皆様の健康づくりの拠点として運営してまいっており、今後も引き続きこれらの事業の実施と普及啓発に努めてまいりたいと考えております。一方で、平成9年度の法改正によります母子保健事業の業務量の増加や、市民の保健サービス需要の高まりなどから、従来保健センターの施設が非常に手狭な状況となっておりました。
そうした中で、平成22年度から成人の健康づくりを積極的に進めるための組織として、検診、健康づくり担当を配置し、現在は庁舎南館を活用しながら特定検診やがん検診、あるいは健康づくり事業などの成人保健事業を実施しているところでございます。
その結果、庁舎南館を活用する限りにおきましては、保健センターで実施している母子保健事業等と成人保健事業を分けて実施することができるようになりまして、従来からの懸案事項でありましたスペースの確保や事業の日程調整、時間調整等につきましては一定緩和されてきており、事業の推進に対する特段の支障はなくなったものと考えております。
また、南館がなくなった際の成人検診部門はどうなるのかとのことにつきましては、第1点目でお答えいたしましたとおり、今後公共施設再配置計画(案)の方針を決定する中で整理してまいります。
最後に、4点目の発達支援センターの今後の事業スケジュールについてお答えいたします。この施設は、つつじ学園、きぼう園、児童デイサービス事業のそれぞれが障害種別を超えて総合通園化を図るとともに、保健センターや保育所、学校園等との連携を図りながら発達に支援の必要な子供の地域生活を支える、総合的かつ持続的な体制づくりを目指して計画されたものでございます。
当初、第4次総合計画の後期事業実施5か年計画に位置づけておりましたが、再配置計画案によるスケジュールの枠組みに従い、第5次総合計画の前期事業実施5か年計画へと移行させてきたものであり、この5か年計画期間中に完成させることとしております。
以上、公共施設再配置の整理から防災拠点、保健センター、発達支援センターと、それぞれの状況や考え方についてお答えいたしましたが、このいずれにつきましても議会の皆様初め市民の皆様の御意見をお聞きする中で、その方向性や内容を定めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。
(答弁:教育委員会事務局管理部長)
私から、学校園の芝生化について、今後の方向性のみお答えをさせていただきます。本年度実施しております学校園芝生化モデル事業につきましては、伊丹市第5次総合計画におきましても政策目標に環境が位置づけられておりまして、環境教育の観点からも取り組んでいるものでございます。
議員も憂慮されておりますように、メリットもデメリットもそれぞれありまして、芝生化の受け入れ方もさまざまかとは思います。モデル事業といたしましては、まだ端緒についたばかりで、効果を検証するには時間をかけて慎重に判断していく必要がございます。
これまで稲野幼稚園で進めてまいりました中で申し上げれば、芝生化の成否を決める最大の要因はグラウンド使用ができなくなる養生期間の負担の軽減と園や保護者、そして地域の皆様の熱意と維持管理における御協力であるというふうに考えております。また、今後の展開においても絶対に不可欠なことであると実感をしております。稲野幼稚園において、維持管理に携わっていただいている方々には、心から感謝を申し上げたいと存じます。
園を見守る大人が汗をかいたその先に、子供の笑顔がはじけるような園庭の芝生化とするために、何よりも園や保護者の皆様の御意向を尊重した上で、芝の育成環境条件に問題がなく、継続的な維持管理が可能かどうかをしっかり見きわめながら、実施が可能なところについて年1カ所の幼稚園をめどに実施できればと考えております。
また、学校の校庭の芝生化につきましては、さきの答弁でも申し上げておりますようにさまざまな困難な要因が予測をされます。現時点では非常に難しいというふうに考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
(2回目発言:相崎)
それぞれに御答弁をいただきました。1点のみ、2回目に質問をさせていただきます。公共施設の再配置について、全体のビジョンが見えない、再構築するべきではないかと質問いたしましたところ、再構築していくとの旨の御答弁をいただきました。では、それはいつになるのでしょうか。具体的な年度等を含め、スケジュールをお教えください。
以上、2回目の質問といたします。
(答弁:総合政策部長)
2回目の御質問は、非常に単刀直入な御質問でございまして、2回目の御質問にお答えいたします。この計画案の具体的な内容に変更が生じてきている中で、いつ全体計画を整理して、その方針を決定するのか、具体的に示してほしいということでございました。
この計画案を整理する上では、現在進めております公共施設マネジメント、取り組んでおります公共施設マネジメントの考えもベースにしていく必要がございます。したがいまして、現在進めております公共施設白書が今年度末に完成いたしました後、御質問の再検討で方針決定の作業に移っていくことになります。
ただし、先ほど私、お答えいたしましたように前期5カ年計画の期間中に発達支援センターについては完成させますということでございますので、それを逆算いたしますと平成24年度中にはさまざまな検討を加えまして方針決定をしていく必要があると考えております。
もちろん、その際には先ほど申し上げましたように議員の皆様初め市民の皆様の御意見をいただく中で、さまざまな御意見を十分お聞きしながら全体計画の方針を策定して決定してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
(3回目発言:相崎)
御答弁ありがとうございました。
まず、学校園の芝生化でございますが、私は芝生化について環境面や教育面でのメリットは十分に理解をしておりますし、現在実施をされている稲野幼稚園は大変すばらしいと評価をさせていただいているところであります。ただ、芝生化というのは維持管理が失敗する可能性もある、維持管理が大変という観点から、簡単に手を出してしまうのはなかなか怖いなと、慎重に事業に取り組んでいく必要があると感じているところであります。
ですので、今後実施を進めていくということであれば、確実かつ継続的な維持管理体制をしっかりと整えて進めていただくこと、また地域のコミュニティーづくり、そういったことともリンクをしながら、ぜひ進めていっていただきたいと考えておりますので、要望とさせていただきます。
次に、公共施設の再配置に関してですけれども、今回国の3次補正により100%起債、70%交付税措置で防災拠点が整備できる、なので今回、現図書館を防災拠点にするというプランが提示されました。
確かに、今回の国のこの制度は、活用することを検討するに値するものであると考えているところでありますが、ただ今回のプランの提示はこれまでのものと大変大きく方針が転換されたものでありまして、それで確認すべきことがたくさんあると。また、この公共施設再配置につきましては、これまでの議会でさまざまに議論を重ねておりまして、そういった質問、答弁のやりとりとも考えますと、これはまた確認すべきことや明確にすべきことがたくさんあるという観点で質問をさせていただきました。
まず、その全体のビジョンなんですけれども、19年の公共施設再配置計画(案)は、内容も大きく変更しております。これにかわる新しい全体のビジョンが必要と考え、再構築するべきではないかと申し上げました。御答弁では、再構築をするということでした。平成24年度中には示すということでありましたので、ぜひそのスケジュールでお願いしたいと考えております。
どんなビジョンの形にするかというのは、市役所周辺だけにするのか、もう少し広げるのか、またすべて決め込むのか、方向性や筋を示すというビジョンなのか、それは検討が必要かと思いますが、何もビジョンがないというのはいけないと思いますので、ビジョンを平成24年度中に示すということですので、これはお願いしたいと思っております。
まだまだたくさん申し上げたいことはありますが、いずれにしましても真に市民のためになるような施設の配置につきまして、ともに知恵を絞り、力を合わせながら進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。