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2014年 3月議会 ※全文はタイトルバーをクリック!

1回目質問(相崎)

ただいま議長より発言の許可がございましたので、通告に従い、質問をいたします。よろしくお願いします。  1つ目のテーマは、学力向上、習熟度別学習についてです。  私は常日ごろ、伊丹を住みたいまち、住んでよかったまち、住み続けたいまちにしたいと強く考えています。そういったまちにするには、人が生きていく上で基本となる教育、子育て、医療、福祉、これらが充実していることが大変に重要であると考えています。  では、その中でも、特に教育はどういうことを充実するべきなんだろうか。何が求められているのだろうか。私は、その1つは学力向上だと考えています。もちろん、教育において大切なことは学力だけではございません。知・徳・体・食の全てが必要であり、特に心の教育は本当に大切だと認識しています。  ただ、昨年実施された市民意識調査では、市の施策の満足度において、子供たちの学力向上という項目はワースト5位、つまり満足していないという結果が出ました。また、市外に移りたい理由の上位に教育環境が充実していないが入っています。つまり、伊丹市民は学力について満足をしておらず、教育環境がいまいちゆえ転出も考えているということであります。私、これ大変に残念な結果であると思いました。実際に私が知っている子育て家庭も、教育環境がよさそうなところに移るといって近隣市に転居された例を数件存じております。大変残念です。居住地を考慮中の若い御家庭には、教育環境はよいということで伊丹を選んでいただきたいし、伊丹に住む子育て家庭には、学力について御安心をいただきたいし、子供たちには、伊丹で学力など大切なことをしっかりと身につけてほしいと思います。  そこで、今回は伊丹の教育、中でも市民満足度の低い学力向上について取り上げました。  まず、伊丹市の教育委員会は、現在の学力状況をどう捉えているのか。現状認識を確認します。データといたしまして、昨年実施の全国学力・学習到達度調査及び市学習到達度調査における伊丹市の状況は、小学校はほぼ全国平均並み、そして中学校は全国平均を少し上回ったということです。こう聞けば、悪くない気もいたしますが、詳細に見れば、小学校の国語、理科、社会は全国平均を少し下回っている。そして、中学校も全国平均より上といっても、ほんの少しでございまして、決してよいとは言えない状況ではないかと私は捉えています。  そこで、まず伺います。教育委員会として、伊丹市の現在の学力の状況をどう認識しているのでしょうか。お示しください。  次に、学力について、市民の意識です。  先ほど申しましたとおり、市民意識調査では、市民は学力に満足していないという結果が出ています。実際は全国平均並みで、そこまで悪くはないのですが、市民はだめだと思っていると。このギャップは一体どういうことなのだということなんですが、もしかすると、伊丹は学力が低いという固定概念やイメージのようなものがあるのかもしれません。  そこで伺います。市の学力状況について、実際の取り組みを充実させることが基本なんですが、それを市内外にPRするポジティブキャンペーンのようなものも必要ではないかと考えるのですが、見解はいかがでしょうか。  次に、学力向上について、実際の取り組みを伺います。  これまで教育委員会や各校で熱心に取り組んでこられ、このたび提示された教育ビジョン第3期実施計画にも学力向上に一層力を入れていくと記載されています。その取り組みを一つずつ検証したいのですが、今回は、中でも習熟度別学習についてピックアップします。私は常々、この習熟度別学習、有効な方法ではないかとずっと注目をしておりましたので、今回、改めて見解や方向性を伺うものであります。  この習熟度別学習、どういうものかといいますと、これは児童生徒の理解や習熟の程度に合わせてクラスや班を分けて授業を行うという学習方法でありまして、文科省が推奨しており、市でも教育ビジョンにおいて、習熟度別学習などの積極的な実施により、個に応じた教育を推進すると記載されています。  この習熟度別学習、賛否両論、メリット、デメリットあると言われています。メリットは、習熟度の高い子をさらに伸ばすことができるのはもちろん、なかなか習熟度が厳しい子に対して、きめ細かな指導のもと、底上げができるということです。公の義務教育機関は基本的に平均をとる授業とされていますので、実際の授業ではできる子は授業が退屈だし、しんどい子はついていけないという中、この習熟度別学習は、特にしんどい子の救済になるんだという意見も聞きます。逆に、デメリットと申しますか、懸念点は、児童や生徒に必要以上の優越感や劣等感を生じさせてしまうのではないかという点です。自分はだめだと、やる気を失ってしまうのではないかということです。また、いや、皆が学び合えるような共同学習がいいのではないか。いや、少人数学習がやはり一番効果的だなど、さまざまな意見がございます。  そこで伺いますが、この習熟度別学習について、教育委員会は基本的にどのようなスタンスで捉えているのでしょうか。まず、お示しいただきたいと思います。  次に、習熟度別学習の具体的な取り組みです。  全国では、文科省によりますと、公立小学校の78%、中学校の68.5%で習熟度別学習が行われているとのことです。実施校では、習熟度別学習が効果的とされる算数や数学、英語などで主に取り入れられていまして、コースを子供たちに選ばせたり、また、コース名もぐんぐんコースとじっくりコースというようなものにするなど、いろいろ工夫がなされているようです。そして、伊丹市なんですが、小学校で5校、中学校で5校、習熟度別学習が実施されているそうです。  そこで伺います。市の習熟度別学習について、実際の取り組み状況はいかがでしょうか。そして、成果、また見えてきている課題はどのようなものでしょうか。お示しください。  最後に、今後の方向性です。  私は今回、習熟度別学習について、さまざまに調べたり、見たり聞いたりいたしまして、その上で、私はこのように結論づけています。習熟度別学習は、十分な配慮のもとに適切、的確に実施すれば、かなり効果がある学習方法ではないかと、こう考えるに至っています。単にテストの点でクラス分けをしてというような方法では、もしかすると失敗するのかもしれませんが、きちんと子供や保護者、教職員に目的を説明し、劣等感を抱かせないような配慮を施し、きめ細かく丁寧な個々に合わせた指導ができるのであれば、この習熟度別学習はかなり大きな効果がある学習方法ではないかと考えています。少し古いデータですが、平成17年実施の市民意識調査では、学力向上について何が効果的ですかとの問いの第1位は習熟度別学習でした。  これらを踏まえ、伺います。今後、教育委員会として、この習熟度別学習をどのように方向づけ、進めていくのでしょうか。お示しください。  次です。学校教育審議会についてです。  伊丹市では、就学前児童の施設のあり方が大きな課題となっています。私はこの課題を本当に憂いておりまして、ちょうど1年前の3月定例会、この場においてこのテーマを取り上げまして、このように申し上げました。25年度に設けられる学校教育審議会と地方版子ども・子育て会議には大いに期待をしている。学教審においては、公立幼稚園の3年保育と預かり保育を十分に議論してほしいと、こう申し上げました、1年前の定例会で。その御答弁はこうでした。平成25年度に学校教育審議会を設置し、公立幼稚園の就園状況、ニーズ調査を踏まえた公私立保育所や私立幼稚園等を含めた市全体の教育、保育の供給量を考慮しながら、また、これまでの学校教育審議会の答申、鈴原地区における研究会との協議も踏まえて、公立幼稚園の教育、保育のあり方や適正規模、適正配置等について検討してまいりたいと、こういう御答弁でした。学教審でしっかりと議論をするという御答弁でありました。そして、実際、平成25年度、学教審が設置されまして、これまでに5回審議が行われています。そして、このたび答申の素案も出てまいりました。素案が出ました。その素案を私、拝読しまして、驚きました。1年前の答弁では、あれも踏まえて、これも踏まえてしっかり審議するとのことでしたが、そういった議論は私、審議会を傍聴したり、会議録を確認する中では、まだ議論が尽くせていない。議論の途中だと思っていました。しかるに、もう答申の素案が出てきた。さらに、私が1年前の定例会で申し上げた公立幼稚園の預かり保育と3年保育、しっかり議論してくださいと申した件については、まだほとんど議論がされていませんでしたので、これから議論があるのかなと思っておりましたところ、素案には預かり保育は実施が望ましい、3年保育は実施が難しいと書かれていました。会議録を改めて確認しましたが、3年保育はほとんど議論がされていないのに、答申の素案では難しいと書かれていました。一体これはどうしたことか。  そこでまず伺います。現在、審議中の学校教育審議会において、公立幼稚園の3年保育と預かり保育はどのような議論がなされたのでしょうか。どういった議論のもとに預かり保育は実施が望ましい、3年保育は望ましいとの方向性が出たのでしょうか。1年前、私が申し上げた十分に議論をと要望した点の進捗状況はいかがでしょうか、お教えください。  次に、教育委員会として公立幼稚園の3年保育をどう考えるのかということを聞いてまいります。現在、学教審で審議中でありますが、教育委員会としての見解があるはずでございますので、伺ってまいります。  平成20年答申の学教審では、3年保育が深く議論をされております。会議録をめくれば、ひもとけば、例えば3歳保育をしないと、3年保育をしないと幼児教育をしたことにはならないですとか、公立で2年、私立で3年という分け方は余り意味がないなどの意見が出ておりまして、大体まとめますと、3年保育は子供にとっては有意義であるという意見が大半でありました。  そこで伺います。教育委員会としては、3年保育について教育的見地から、幼児教育の見地からはどのような見解をお持ちでしょうか。  次に、3年保育における公私の役割分担を伺います。  伊丹市では現状、御存じのとおり公立では2年保育で保育料は安価、私立幼稚園では3年保育で保育料は少し公立に比べると高いという状況になっていまして、これが伊丹市の公私の役割分担だとも言われています。この状況を全否定するつもりは、私はございません。ただ、今後この役割分担の背景というのが大きく変わってまいります。といいますのも、平成27年度から始まる子ども・子育て支援新制度では、幼稚園の保育料が応益負担から応能負担になるとされています。つまり、今は公立幼稚園の保育料は月額9000円で、私立幼稚園は月額2万円から3万円なんですが、今後は保護者の収入によって保育料が決まるという方向性が出されています。そうすると、この伊丹市の公私の役割分担というのももう大きくがらりと変わってくると考えられます。  そこで伺いますが、27年度からの子ども・子育て支援新制度に伴い、幼稚園の保育料が応能負担になる可能性が高い中、今の市の公私の役割分担というのも抜本的に再検討する必要性が生じると考えているのですが、見解はいかがでしょうか。  次に、3年保育のニーズです。  本当に公立幼稚園の3年保育はニーズがあるのかということですが、まず、アンケート結果から考えてみます。昨年実施の教育ビジョン第3期実施計画策定に係るアンケートでは、こういう結果が出ました。公立幼稚園の今後のあり方として最もよいと思われることはなんですかという問いに対して、第1位は公立幼稚園16園で3年保育、預かり保育を行う、これが第1位、42%で断トツでございました。  そこで伺います。教育委員会はこのアンケート結果をどう捉え、どう反映するのでしょうか。  次に、3年保育のニーズについて、神津のこども園の場合を考えてみます。  昨年春に開設をした神津認定こども園では、公立幼稚園の3年保育を実施しています。その入園の数を例えば実施前の状況や神津地区の就学前児童の通園先などを加味して分析しますと、公立幼稚園における3年保育のニーズ、また、私立幼稚園への影響というのが見えてくると思います。  そこで伺います。神津認定こども園の幼稚園部分の3年保育実施状況から見える公立幼稚園における3年保育のニーズ、また私立幼稚園への影響はどのように分析をされているのでしょうか。  次に、3年保育のニーズについて現在の各所の状況も考えてみます。  私立の幼稚園では近年、入園希望者が殺到して大変な抽せん倍率になっている園がふえています。また、市内に数カ所ある共同保育、これは就園していない未就園の3歳児の保育なんですが、これは大変な人気でして、もうなかなか入れないという状況です。  そこで伺います。教育委員会はこれらの状況をどう捉えているのでしょうか。そして、こういった状況を鑑みるにやはり3年保育のニーズというのは高いと分析できると考えるのですが、見解はいかがでしょうか。  これらを踏まえて最後に教育委員会に伺います。  私は、公立幼稚園の3年保育について教育的見地から効果が高く、また、保護者ニーズも高いことから積極的に検討したいと考えています。万が一、公立幼稚園が統廃合というような方向性になっても、例えば存続する園で3年保育を実施するということも可能ではないでしょうか。もちろん学教審で今、審議中なのは十分存じておりますが、教育委員会としての現在の見解をお伺いしたく質問をいたします。お答えください。  以上で1回目の質問といたします。御答弁、よろしくお願いいたします。

1回目答弁(学校教育部長)

私からは、まず、学力向上に関する質問にお答えをいたします。  1点目の伊丹市の学力状況を教育委員会はどう捉えているのかとの御質問についてですが、全国学力調査が平成21年度以来、4年ぶりの悉皆調査として実施されました。その結果、小学校の各教科の平均正答率はほぼ全国平均並み、中学校は全国平均を上回り、伊丹市の学力は上昇傾向にあります。正答率もさることながら、今回の調査では長年の懸案事項でありました無回答率が小・中学校ともに全国平均を下回りまして、粘り強く自分で考え、表現し、書く児童生徒の姿が見られました。このことからも伊丹市の子供たちの学力はまさに上昇傾向にあるものと捉えております。  また、全国学力調査におきまして、自尊感情が中学校においては平成21年度との比較において9.7ポイントも向上しております。平均正答率もそれに比例して向上しております。自尊感情が高まると、自分に自信が持て行動が積極的になり、学習にも意欲的に取り組むようになることから、今後も全教育活動を通じて子供たちの自尊感情を育んでまいりたいと考えております。  家庭学習につきましても、小学校において家庭で平均1時間以上学習する児童が全国平均を上回るなど、小・中学校とも家庭での学習習慣、読書週間などについては改善傾向にあるとはいえ、全国平均と比較すると家庭での予習、復習や朝食の摂取率、携帯電話の所持率など改善していくべき課題がまだ見られます。  2点目の平成25年度市民意識調査結果に対する見解についてですが、調査における市民の施策満足度について、確かな学力の向上が下位5施策に入っていることを真摯に受けとめるとともに、学力に関する市民の認知度、関心が上位5項目に入っていることを市民の期待と捉えて、子供たちの学力向上に一層努めてまいります。伊丹の子供たちの学力が上昇傾向にあり、全体として市内学校園が落ちついて学習に取り組める状況にあるにもかかわらず、市民の満足度が低いということは、これまでのマイナスイメージや固定観念、概念があること、市民の方々に現状の学校園や子供たちの姿を知っていていただいていないこと、特に学齢児童のいない家庭等への周知など、私たちのアピール不足が原因の一つであると考えられます。  また、市内全学校園において実施しました今年度の学校評価の結果を先月末にまとめましたところ、保護者アンケートにおいて、学校は保護者の願いに応えていると肯定的に回答した保護者は約90%に上り、今回の市民意識調査とは大きく違っています。この乖離の原因等についても今後、検証を行ってまいりたいと考えております。  教育委員会といたしましては、学力向上に向けた取り組みとともに、伊丹の教育の取り組みや成果をより多くの市民に理解していただき、これまでのマイナスイメージから脱却し、伊丹の子供たちのよさや頑張りを広く発信し、イメージアップが図れるように努めてまいりたいと考えております。  3点目の習熟度別学習についてお答えをいたします。  まず、1つ目の習熟度別学習に対する教育委員会の基本的な姿勢ですが、伊丹市教育ビジョン第3期実施計画においても、子供たち一人一人の個性や能力に応じた教育の推進を掲げており、新学習システムや兵庫型教科担任制等を活用するなど、学力向上に向けて個に応じたきめ細やかな指導を推進しております。そのような中、習熟度別学習については、子供たちの仲間関係に分裂をもたらすといったような否定的な意見も一部にはあるようですが、習熟度別学習は子供たち一人一人の習熟度に応じた教育を推進することが目的であり、大変有効な手段であると考えております。  2つ目のこれまでの取り組み及び成果と課題につきましては、現在、小学校17校中5校において、中学校8校中5校において習熟度別学習を実施しております。小学校では、特に高学年の算数において児童自身で選択する形での実施が多く、選択の際、教師がアドバイスを行っている学校もございます。中学校では、数学と英語で実施され、方法としては生徒が選択する場合と成績等の習熟度で分ける場合があります。いずれにしましても、各学校の実態に応じて教科や単元の内容等を踏まえて、児童生徒が納得して学習を行えるよう、配慮がなされた上で実施されております。  成果といたしましては、教師側からは、個々の習得状況に応じてさらに高度な問題を与えたり、下の学年に戻って復習したり、きめ細やかな指導ができる。生徒の実情に応じた教材が活用できる。小学校では、学年指導を通して中学校への接続ができる。兵庫型教科担任制を推進することができるという意見が出ています。児童生徒からは、通常の授業では質問しにくい内容について質問ができる。友達と相談し、教え合いながら自分たちのペースで学習ができる。自分が友達に教えてもらって、うれしかった。自分のクラス以外の友達と学習をすることができるなどの成果が上げられております。  課題としましては、1つ、子供たちに誤った優越感や劣等感を与えないような十分な配慮が必要なこと。2点目、教員の数に限りがあるために、実施教科や学年について検討が必要であること等がございます。  3つ目の習熟度別学習の方向性についてですが、習熟度別学習は児童生徒一人一人に対してきめ細やかな指導を行うことが可能となり、そのことによって指導の効果を高めることができ、ひいては児童生徒の学力向上につながることから、本市としましては習熟度別学習を拡充してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますよう、お願いいたします。  次に、学校教育審議会についてお答えをいたします。  初めに、現在審議中の今回の学校教育審議会では、3年保育についてどのような議論がなされたのかについてでございますが、今年度設置しております学校教育審議会は平成20年2月の答申、審議会答申内容を再検証する目的で設置しており、過去の答申内容について一つ一つの事項を検証していくというのではなく、再検討すべき事項について審議されているところでございます。平成20年2月の学校教育審議会答申におきましては、公立幼稚園における3年保育については慎重な検討が必要であると示されておりますが、今回の学校教育審議会においては、平成20年2月学校教育審議会答申を基本的に尊重するという共通理解のもと、審議が行われ、現在も審議が重ねられているところでございます。その中で審議委員からは、3年保育に対応する私立幼稚園であったり保育所であったり、伊丹市内には多く存在する中で現在、全く対応できていないわけではないという御意見や、税金の使い方の公平性の視点からの御意見などが出ております。  次に、3年保育を幼児教育の見地からどう捉えているのかについてでございますが、2年保育がいいか、3年保育がいいかにつきましては、どちらがよいという議論ではなく、幼児期における子供の成長、発達には個人差があり、保護者の保育ニーズも多様であるため、保護者がそれぞれの子供に合った選択ができるよう、教育環境を整えていくべきであると捉えております。  次に、新制度によって公私の役割分担の前提が変わりつつあるところ、公私の役割分担のあり方も変わるべきだと考えるが、教育委員会の見解はについてでございますが、国においては平成24年8月に子ども・子育て関連3法が公布され、平成27年度からは本格的に子ども・子育て支援新制度が実施される見込みであります。現在、国において子ども・子育て会議が実施されており、今後、「公定価格・利用者負担」について主な論点が整理されようとしているところでございます。今後、公私の役割分担につきましては、国の動向等を注視しながら私立幼稚園との関係に配慮しつつ、こども未来部等関係部局とともに検討を行っていく必要があると考えております。  次に、教育ビジョン第3期実施計画策定に係るアンケートとして公立幼稚園16園で3歳児保育、預かり保育を行う、42.0%という結果をどう反映するのかについては、まず、これまで教育委員会が実施した2回の市民意識調査について、第2回審議会の中で次のように説明をさせていただきました。  まず、1回目の平成17年度に実施いたしました「伊丹市市民意識調査伊丹の教育について」のアンケート調査につきましては、市内在住の満18以上の男女2000名を対象に実施したものでございます。結果は、「少子化が進む中で幼児教育の充実を図るため、今後どのような取り組みに力を入れるべきか」との問いに対しまして、32.0%の方が「幼稚園と保育所の両方の機能を持つ保育を進める」を選択されております。また、「少子化などが原因で市立幼稚園では定員に満たない学級や5歳児学習が1学級の幼稚園があり、教育効果に課題が見られる。教育の質を高めるため、今後の幼稚園の運営はどのような形でされるのがよいか」との問いに対しまして、32.2%の方が「幼稚園の統廃合」を選択されております。  次に、平成22年度7月実施の「平成22年度伊丹市教育ビジョン市民意識調査」につきましては、先ほどのアンケート調査と同様、市内全域を調査対象として市内在住の満18歳以上の男女2000人を対象に実施したものでございます。「幼児教育の充実を図るため、今後どのような取り組みに力を入れるべきか」との問いに対しまして37.7%の方が「幼保の一体化」を選択されております。また、「少子化などが原因で市立幼稚園1園当たりの幼児数が減少しています。市立幼稚園の活性化のためにどのような取り組みを進めるべきか」との問いに対しまして、36.1%の方が「保育所機能を持った認定こども園の整備」を、そして28.5%の方が「預かり保育の実施」を選択されております。  議員お尋ねのアンケートは、平成25年2月から3月に行ったものでありますが、本アンケートは伊丹市教育ビジョン第3期実施計画策定に係るアンケートとして幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校の保護者1390人を対象として調査を行ったものです。調査の結果は「公立幼稚園の今後のあり方として最もよいと思うものは何か」との問いに対しまして、42.0%の方が「公立幼稚園16園で3年保育、預かり保育を行う」を選択されておられます。  なお、この調査結果につきましては、全体結果とあわせて校種別結果も示されておりますが、幼稚園児の保護者は同じ選択肢に対して50.1%、小学校児童の保護者では40.2%、中学校生徒の保護者では33.7%の方が選択しており、校種によって選択の割合に差が生じております。  この調査につきましては、第3回審議会において委員から提供を求められましたので、第4回審議会において検討資料としてお示しさせていただいたところでございます。  次に、神津地区で公立幼稚園3年保育における入園者数などから3年保育のニーズ、私立幼稚園の影響についての分析についてですが、神津こども園幼稚園部分において平成25年度から3歳児保育を実施しておりますが、3歳児保育導入前の平成24年度におきましては、神津地区の3歳児は私立幼稚園に10人、入園されております。また、21人の3歳児は在宅等です。平成25年度におきましては、18人が神津こども園幼稚園部に入園されております。私立幼稚園に入園されてる方は5人であり、2人は在宅等でございます。  また、分析につきましては、神津地区において本年度から3歳児保育が開始され、まだ1年目であることや、神津地区における基礎幼児数が少ないことなどから、今後の動向に注視しながら分析を進めていく必要があると考えております。  次に、私立幼稚園は入園希望者増加、共同保育は高人気だが、この現象をどう捉えているのかについてでございますが、現在、伊丹市においては、公立幼稚園では3年保育は実施しておりませんが、私立幼稚園においては全ての園で実施されております。私立幼稚園の就園状況等を見ますと、3年保育等のニーズは一定あるものと思われます。  次に、公立幼稚園の3年保育実施に対する見解につきましては、平成20年2月の答申で3歳児保育については、私立幼稚園において先駆的な取り組みとして既に実施されている。また、民間活力を生かした都市経営が求められる。そして本市の幼稚園教育は、今後も公私がそれぞれの特色を生かしながら、ともに担っていくことを考えるとき、公立幼稚園における3年保育については慎重な検討が必要であるとあります。  学校教育審議会におきましては、平成20年2月の学校教育審議会答申を基本的に尊重するという審議が行われ、現在も継続中でございますが、公立幼稚園において3年保育を行うことを考えますと、これまで公私の幼稚園がそれぞれの役割を果たしながら幼稚園教育を担ってまいりましたが、今後、幼児数が減少する中で公立幼稚園が3年保育に拡大するということは、保育教室の不足や担任の配置など、大規模な施設整備や人的配置などの新たな財政上の負担が大きいことが予想されます。また、民間活力を生かした都市経営が求められる中、これまで3歳児保育については私立幼稚園が担ってきていることからも、少子化の中でその経営状況に支障を来すことも予想されます。そのため、公立幼稚園だけでなく市全体としての幼児教育のあり方も視野に入れながら、公立幼稚園の存在を意義あるものにしていくために、現在、学校教育審議会におきましては、平成20年2月学校教育審議会答申を基本的に尊重するという審議が行われ、現在も継続中でございます。  教育委員会といたしましては、平成26年度中に学校教育審議会から答申として受領し、その答申内容を踏まえ、教育委員会としての今後の幼児教育のあり方について基本方針案を策定していく予定としておりますので、御理解いただきますようお願いをいたします。

2回目質問(相崎)

御答弁ありがとうございました。2回目以降は一問一答で質問を続けてまいります。
まず、学力向上、習熟度別学習についてですが、私は伊丹を住みたいまち、住みやすいまち、住んでよかったまちにしたいと思っておりまして、それには教育が一つの重要なポイントであると考えていると申しました。その教育の中でも学力向上っていうのは大きな視点ではないかと考えております。もちろん大切なのは学力だけではないのは十分に承知をしておりますが、学力向上は大事なことではないかということで質問をさせていただきました。その学力向上の中でも、特に前から注目をしておりました習熟度別学習について今回聞かせいただいた次第です。
この習熟度別学習、メリット、デメリット、賛否両論あるところなんですが、私はいろいろ見たり聞いたり調べたり今回いたしまして、きちんとやれば、かなり学習効果の高いものではないかと判断しているところであります。そこで、では、市はどう考えていらっしゃるのですか、市の教育委員会は習熟度別学習をどのようなスタンスで捉えていらっしゃるのですかと伺いましたところ、大変有効な手段であり、拡充していきたいという御答弁でありました。習熟度別学習は課題もあるとされておりまして、御答弁はもう少し消極的なものなのかなと想像しておりましたところ、予想以上に前向きな御答弁をいただき、大変うれしく思っているところです。
さらに伺いますが、拡充していくことでございますが、具体的にはどのように拡充していこうとお考えなのか。今、小学校5校、中学校5校で実施をされていますが、これは全校に広げていこうということであるのか。具体的にどう拡充しようと考えておられるのでしょうかをお答えください。

2回目答弁(学校教育部長)

議員御質問の習熟度別学習の拡充の方法についてですが、まず、習熟度別学習は実施する単元や内容、実施方法によって効果のあるものによりなるっていうことから、まず1つ目として、市内実施校の効果のある事例を広めていく。そして2つ目は、習熟度別学習による事業研究会を実施する。そして3つ目は、学校の中だけではなく市内を横断している教科研究会という部会がございますので、そこを母体として研究をする等が考えられます。そして習熟度別学習は子供たちの学力や学習意欲を向上させるための手段の一つであり、習熟度別学習により分けた学習集団だけに固定するのではなく、やはり必要に応じましてチームティーチングや個別学習など、子供たちの実態に応じたフレキシブルに効果的な指導をしていくことが大切であると考えております。そのような観点から効果的な習熟度別学習を市内で共有することで実施校はふえていくのではないかなと考えております。全校実施と形から入るというものではなく、各学校の児童生徒の実態や教科、教材、そして指導内容などを考えて習熟度別学習を効果的に取り入れながら最終的には子供たちの学力向上、そして学習意欲の向上につなげてまいりたいと考えております。

3回目質問(相崎)

ありがとうございます。御答弁では、習熟度別学習を全校に広げていくというのではなくて、全体を考えて何が有効な学習方法であるかというのを考えた上で習熟度別学習がいいのであれば、効果的に取り入れていくということでございました。確かに目的は習熟度別学習を広げるというのではなくて、児童生徒の学力向上、学習意欲の向上でありますので、なるほどと納得をさせていただきました。  もう1点、習熟度別学習について伺いたいのですが、この学習方法はきちんとできるのであれば効果はあるのではないかと認識をしております。きちんとやる、失敗するか成功するか、そういったところには先生のお力というのも非常に大きなポイントになるのではないかなと私は考えております。先生がきちんと気力や資質や能力をもって取り組んでいただくと成功するのではないか、そのように捉えております。  そこで伺いますが、拡充していくということですが、習熟度別学習において教師が、先生が目的をしっかりと把握して、そして手段などを研究、勉強していただくそういうことが求められると考えるところですが、その見解と、またその具体的な取り組みなどがあればお教えください。

3回目答弁(学校教育部長)

まさに今、議員が御指摘のとおり習熟度別学習を効果的に実施するためには、指導する教師が個々の児童生徒の学力やつまずきをしっかり把握して、発達段階等も踏まえましてきめ細やかに指導をしていくということが必要だと思っています。そのため、全国学力・学習状況調査等の結果も踏まえて、効果のある習熟度別学習について伊丹市内の先生方で共有する、あるいは互いに授業研究を行うなど、教員の指導力向上を一層図ってまいりたいと考えております。いずれにしましても教員はやはり常に学び続ける姿勢が何よりも重要だと思っています。今後もさまざまな研修や実践を通しまして、教員の資質や指導力の向上を私たちの最重要課題として取り組んでまいりたいと考えております。

4回目質問(相崎)

熱意のある御答弁ありがとうございます。確かにこの習熟度別学習は難しい学習方法ではないかと思っておりまして、ちょっと私、偉そうな言い方になってしまったかもしれませんが、先生方の力量も問われるような方法ではないかなと考えております。ただ、きちんとできれば、かなり効果がある児童生徒のためになる学習方法ではないかと思っております。今後も一つの有効な学習方法として重視し、拡充していければ、そしてそれが伊丹の子供たちの学力の向上、また、学習意欲の向上につながればと願ってやみませんので、今後、引き続きそして一層よろしくお願いいたします。
では、次に、学教審に移ります。
学教審では、平成20年答申の学教審で3年保育について慎重な検討が必要と答申されました。また、1年前の定例会で私は、学教審で3年保育については十分な議論をしてくださいと申し上げました。しかるに実際の学教審では十分な議論がなされないまま、答申の素案で3年保育は難しいと打ち出されました。私は、議論していないし、さらに勝手に方向性が出たのかなというような印象を受けてしまいました。そこで1回目の質問で学教審では3年保育についてどのように議論されたのですかと質問したところ、こういった意見が出ましたよというような御答弁でした。しかし、それはお一人の委員さんが一言おっしゃったことでありまして、やはり私は十分にまだ議論がされていないのではないかと判断するに至っております。
そこで改めて伺いますが、学校教育審議会において、もっと公立幼稚園の3年保育について議論をしなければならないのではないか。その議論いかんでは答申素案の内容、文言の3年保育は難しいという文言もまた変わってくるのではないか、そのように私は考えているのですが、それについての御見解を改めてお聞かせください。

4回目答弁(学校教育部長)

まず、現在審議中の今回の学校教育審議会で3年保育についてもっと議論されるべきだと考えるが、その見解についてという2回目の御質問でございましたが、先ほども答弁いたしましたように、平成20年2月の審議会答申を基本的に尊重するという共通理解のもと、今回の学校教育審議会におきまして今現在も審議が継続されているところでございます。  今回の学校教育審議会の第4回目におきまして審議委員から、3年保育について一市民とすると、それに対応する私立幼稚園、保育所が伊丹市内ではたくさん存在する中でまたそこに税金を投入するということに関して現在、全く対応できていないわけではないという御意見、また、第5回の答申素案の検討におきまして審議委員からは、時代は変わるし、平成27年度に新制度が出てくる。また、幼児教育は3歳児からだと認識している。現時点ではというような言葉を入れてもいいんではないですかというふうな御意見が出ております。いずれにしましても、これらの御意見を踏まえて、さらに学校教育審議会次回以降で検討を重ねてまいりたいと考えております。

5回目質問(相崎)

まだまだ議論は続いてくという御答弁でしたので、少し安心をいたしました。  学教審の進め方について、もう1点伺いたいことがございます。第2回の審議会だったかと思うんですが、公立幼稚園の3年保育についてある委員から、3年保育は今後も私立幼稚園に任せるという認識でいいんですかという発言がございまして、その答えとして事務局である教育委員会が、引き続きそのような形でいきたいと考えていると答えられています。これ、頑張ってくださっている教育委員会さんには大変申しわけないんですけれども、この答えは事務局である教育委員会が言うべきことではないと私は思います。審議会の審議の内容を方向づけるような発言を事務局がするのは適切ではないのではないかと考えますし、この一連の発言によってほかの委員さん、ああ、じゃあ、3年保育はもう以後してなくていいのかな、そんな思いを抱かれた方もいらっしゃったかもしれません。  そこで改め伺いますが、この事務局が審議内容を方向づける発言をするのは適切ではないと感じるわけですが、これについての御見解をお聞かせください。

5回目答弁(学校教育部長)

事務局が審議内容を方向づけるような発言するのはおかしいと思う、この経緯を勘案してもやはり再度3年保育の議論をし直し、3年保育は難しいというあたりの再検討をするべきではないかということについてでございますが、まず、第2回の審議会におきまして審議委員から、3歳児の保育というのは今後も私立の幼稚園のほうにお任せしていくという状況にある、そういう認識でよいのかという御質問がありまして、事務局側から平成20年の答申内容に準じ、今のところ、公立と私立で幼児教育を担っていくということで、3歳児保育は私立、4歳児、5歳児保育で公立ということで進めてきましたので、引き続きそのような形でいきたいと考えているとの回答をいたしております。  この3歳児保育につきましては、第2回及び第4回、そして第5回審議会におきましても審議委員から、委員が出されておりますが、先ほども申し上げましたように第5回の審議会におきまして提示されました答申書素案につきましては、第4回において会長より提案されまして、これまでの委員から出された意見を一度まとめて文章化するというふうなものでございまして、そのときにこれも入れておいたほうがよいとか、こういうアイデアも入れたほうがよいということがあれば、出していただきたいということを委員の皆様に共通理解が図られておりまして、先ほども申しましたようにこういったことも踏まえまして、次回の第6回でも引き続きこの内容につきましては、検討されていくということで御理解いただきたいと思います。




 

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